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FAケーブルとは?構造や選び方、センサー・ロボット・ビニルキャブタイヤケーブルとの違いを紹介

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FAケーブルとは?構造や選び方、センサー・ロボット・ビニルキャブタイヤケーブルとの違いを紹介

FAケーブルとは、工場の自動化(Factory Automation)に使用されるケーブルの総称です。

ロボットアームやセンサー・電源など、さまざまな箇所に用いられます。

「FAケーブルの購入を決める前に他ケーブルとの違いを把握しておきたい」とお考えのメーカー担当者様もいらっしゃるでしょう。

今回は、FAケーブルの構造や選び方、センサー・ロボット・ビニルキャブタイヤケーブルとの違いなどについてまとめました。

ケーブルメーカーの立場から、難しい用語は極力使用せず、分かりやすく解説します。

記事を最後までチェックすれば、FAケーブルの基本的な概要について、ひと通り理解できます。

FAケーブルとは?

FAケーブルとは、工場の自動化(Factory Automation)に使用されるケーブルの総称です。

以下のような種類があります。

  • 制御ケーブル

  • センサーケーブル

  • 電源ケーブル

  • ロボットケーブル

上記ケーブルは「FAのために使用される」という点で共通しています。しかし耐屈曲性や耐熱性など、求められる性能は設置箇所や用途によってそれぞれ異なります。

FAケーブルとは?

弊社で提供するFAケーブル

FAケーブルは、自動化・省人化が進む製造現場において不可欠な存在です。

FAケーブルの構造

FAケーブルの構造は、以下4つに分かれています。

  • 導体

  • 絶縁体

  • シールド

  • シース

それぞれ詳しく見てみましょう。

導体

導体は、電力や信号を伝送するための中核部です。主に導電性の高い銅線が使用されます。

特にロボット可動部での使用を前提としたFAケーブルでは、極細の銅線を多数撚り合わせた「撚り線」が採用されるのが一般的です。

撚り線構造により、柔軟性や耐屈曲性が大きく向上します。導体の種類にはすずメッキ銅線などがあり、用途に応じて選定されます。

絶縁体

絶縁体は、導体を個別に覆い、短絡(ショート)や漏電を防ぐための層です。

FAケーブルでは、柔軟性と耐久性、耐熱性を両立させた材料が使用されます。

FAケーブルの絶縁体が柔らかかったり滑りが悪かったりすると、断線の原因になります。

シールド

シールドは、外部ノイズから信号を保護するための導電層です。通信や制御用のケーブルでよく使用されます。

外部からの電磁干渉(EMI)や、ケーブル内部の信号同士によるクロストークを防ぐため、安定した信号伝送が必要な環境ではシールドが不可欠です。

シールドによって、どのノイズに効果があるかは異なります。そのため用途に応じて、適切な素材を選ぶ必要があります。

シース

シースは、FAケーブルの最外層を覆う保護被覆です。物理的損傷、湿気、化学薬品、油、熱などの外部環境から内部構造を守る役割を果たします。

シースはFAケーブルの最外層なので、可動部や機械との接触が多い箇所です。

センサーケーブルとは?FAケーブルとの違い

センサーケーブルは、工場内の各種センサー(近接センサー、光電センサー、温度センサーなど)に接続される専用ケーブルです。

主に微小な信号を高精度かつ安定して伝送することを目的としています。

センサーケーブルはFAケーブルの一種です。

FAケーブルが電力供給、制御信号、通信信号など多様な機能を統合した汎用ケーブルであるのに対し、センサーケーブルは各種センサーへの接続といった特定の用途に最適化されています。

ロボットケーブルとは?FAケーブルとの違い

ロボットケーブルは、産業用ロボットなどに使用される耐屈曲・耐ねじれ性に優れたケーブルです。

数百万回の可動に耐える構造設計が施されています。

一方FAケーブルは、工場内の自動化設備全般で使用されるケーブルの総称です。つまりロボットケーブルは、FAケーブルの一種です。

FAケーブルのなかでも可動性に特化したケーブルをロボットケーブルと言います。

ビニルキャブタイヤケーブルとは?FAケーブルとの違い

ビニルキャブタイヤケーブルは、導体をビニル絶縁体で、外装をビニルシースで覆ったケーブルです。

柔軟性や耐水性、耐油性、難燃性に優れています。

ビニルキャブタイヤケーブルは、主に電力供給を目的としています。一方FAケーブルは、信号伝送、制御、電源供給といった複数の機能に対応可能です。

以上がビニルキャブタイヤケーブルとFAケーブルの違いです。

FAケーブルの選び方

FAケーブルを選定する際は、使用環境と機器の仕様に応じた性能要件を明確にすることが重要です。

誤った選定は、ケーブルの早期劣化やトラブルにつながります。

選定時に確認すべき項目は、以下のとおりです。

  • 耐熱性

  • 耐寒性

  • 耐油性

  • 耐薬品性

  • 曲げ半径
    など

「耐熱性は満たしているが柔軟性が不十分」といった場合には、何らかのトラブルが起きる可能性があるため要注意です。

FAケーブルはカスタム設計がおすすめ

FAケーブルは、使用環境や装置の仕様により求められる性能が大きく異なります。

既製品のFAケーブルでは、仕様が近くても一部の性能で妥協を強いられるケースが珍しくありません。

そこでおすすめなのが、カスタム設計のFAケーブルです。

カスタム設計のFAケーブルであれば、必要な柔軟性、耐環境性能、耐久性、配線仕様に合わせた設計が可能です。

例えば特定の曲げ半径に対応した構造や、油や薬品に強いシース材の選定、ノイズの発生源に合わせたシールド設計など、細部にわたる調整ができます。

標準品で要件を満たせない場合は、オーダーメイドのカスタム設計がおすすめです。

カスタムケーブルはニューテックスにおまかせください

カスタムケーブルはニューテックスにおまかせください

株式会社ニューテックスは、ロボットや産業機械に使われるケーブルを販売している企業です。本社は埼玉県富士見市にあり、2024年には創業60年を迎えました。

FAケーブルをはじめとする各種標準品のケーブルに加え、用途に応じたカスタムケーブルの設計・製造にも対応しており、幅広い業界のニーズに応えています。

カスタムできる内容・箇所は以下のとおりです。

  • ノイズ対策:銅編組、横巻シールド、2重・3重シールド

  • 施工性:柔軟性、複合化、摩耗性

  • 細径化:構造検討(導体サイズ、絶縁体厚さ、シース厚さ、ケーブル構成)

  • 難燃性:UL VW-1試験対応、垂直トレイ難燃試験対応

  • 使用環境:耐熱性、耐油性、クリーンルーム

  • 高張力化:特殊導体

  • 高屈曲性:特殊導体、特殊エラストマー

標準納期は1〜3ヶ月です。

他社が製造できない仕様にも対応可能で、一品一様のオンリーワン製品をご提供いたします。

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まとめ

FAケーブルの構造や選び方、センサー・ロボット・ビニルキャブタイヤケーブルとの違いなどについて解説しました。

FAケーブルは、工場の自動化(Factory Automation)に使用されるケーブルです。通常のケーブルと比較して、曲げやねじれに強いという特徴があります。

しかし求める性能をすべて満たすFAケーブルがあるとは限りません。

株式会社ニューテックスでは標準品のケーブルに加えて、カスタムケーブルも提供しています。ぜひ以下より、詳細をご確認ください。

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